革でレバーグリップを作ってみましょう

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前回の予告通り革でレバーグリップを製作しました。

市販のスポンジのレバーグリップはスポンジ製でレビューを見ても切れやすいと言う事なので簡単に革の専用工具無しで記事を読んでくれる人(居るのかな?)にも作れるように製作致します。

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プロローグ

この冬のために取付けて一度走っただけで切れてしまったレバーグリップ。

仕方なく交換してシートを被せただけなのに、シートを外してツーリングにと意気込んだ時に気付きました。

『切れてる...』

一度も走ってないのに...(^_^;)

予備がまだ一本ありますが、また切れるのでは...。

スポンジだからな...。

...

...!Σ( ̄□ ̄;)そうやん

 

革で作ればエエやん

オレ、革細工出来るの忘れてた...(^~^;)ゞ

 

 

必要な道具

皆さんにも愛車のために作って頂けるようにしたいと思いますので、先にも話したように革細工用の専用工具は使いません。

  •カッターナイフ

  •ダブルクリップ

  •マスキングテープ

  •ヤスリ(爪磨き)

  •穴あけポンチなど

  •両面テープ

そしてカッターマットがあると便利ですかね。

他にも少々ありますが、少量しか使いませんので家にあれば、わざわざ買わない方が良いかと思いますが、無い方は100均でOKです。

 

そして素材の革と紐です。

革にはタンニンなめしとクロムなめしという2種類がありますが、タンニンなめしが必要です。

大きさはレバーより少し大きめなので、私のドラッグスターなら12cm☓10cm程あれば充分です。ほぼハガキ大のサイズで一本のレバーが作れます。コレは皆さんのバイクに合わせて下さい。

革屋さんなどでハガキ大くらいのハギレが500円しないくらいで売っていますし、通販でも1000円しません。

厚みは作業性を考えると1〜1.5ミリくらいが良いと思います。

紐は靴紐や革紐や切れにくいポリエステル製の糸などで良いと思います。

 

 

製作

準備〜型取り

試作品のため私は革細工で出たハギレを利用しています。1.5ミリ厚で若干厚いかなと思いますし、色もちょっと変ですが...。

グリップは左右あるので横幅はここで揃えておくと良いです。
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準備した革を洗面台やバケツなどに水を張り漬け込んでしまいます。革の裏面を見ると水をキチンと含んでいるかが分かりやすいので裏面を上にすると良いです。
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水を含んでヨレヨレになった革をレバーに巻きつけます。水を含んだ革は伸びますのでレバーの取付けたい場所に密着させてクリップで留めます。
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クリップで取付ける際は合わせ目とレバーの距離に注意して下さい。革の合わせ目とレバーを密着させる事が重要です。

そしてそのまま次の日まで放置です。

 

 

成形

ほぼ一日程度で革に含ませた水分が無くなります。写真は次の日の夜なので背景が真っ暗ですが...。f:id:sim_blog:20201214212604j:image

 

クリップを外しても革がレバーの形をしています。f:id:sim_blog:20201214212727j:image

 

コレは革の立体成形の初歩的な技法です。革製品で中身が入っていないのに形を成していることってありますよね。ZIPPOライターのケースなどで見ることが出来ると思います。

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型さえあればこんな物も作れます。f:id:sim_blog:20201214215003j:image

取外して来たレバーで型取りした革です。
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後の作業がやりやすいように、大まかに余白をカットします。

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マスキングテープを何枚か重ねて切りたい場所にガイドとして貼り付けで慎重にカッターでカットします。

出来上がった物が下の写真です。f:id:sim_blog:20201214215610j:imagef:id:sim_blog:20201214215853j:image

 

断面の処理

革の断面を処理します。

革を切った断面はそのままにしておくと、ささくれになり広がりボロボロになってしまいますので処理します。

断面に水を少々含ませヤスリで磨きます。粗いヤスリ細かいヤスリの二段階に分けると良いです。100均などで見かけるスティック状の爪磨きは裏表で粗い細かいとなっていますので便利です。

断面を水平に研いていると断面の角が立ってきますので、角も少し丸く研くと良いです。


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下の写真は上側は切りっぱなし、下側は研いた革の断面になります。
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もしも可能なら断面にロウソクの胴体を擦り着けて軽く炙りロウを溶かすと断面に光沢が出ます。

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紐穴を開ける

穴は余り端に近いと後で縛るときに紐で引っ張られて切れてしまうので注意が必要です。

マスキングを4㎜幅にカットして穴を開ける間隔に印を付けた後、革端に貼り付けてガイドにして印を付けます。

f:id:sim_blog:20201215224037j:imagef:id:sim_blog:20201215224056j:imagef:id:sim_blog:20201215224109j:image

 

ポンチの穴はどんな紐で縛るかで大きさと間隔を調整します。

糸を通すなら千枚通しなどで穴を開ける方が良いでしょう。

見本としてオーバーに穴を開けましたが、こんな感じになります。

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取付け

取付ける場所から動かないように薄い両面テープを革の裏側に貼り付けて仮止めし紐を通して行きます。

試作品なので適当にその辺にあった紐でですが...。

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取り付け後

立体成形で水に浸したために少し革が硬くなります。もし気になるようでしたら『ニベア』などの保湿クリームをほんの少し塗り込むことでツヤと柔らかさが増します。革用のクリームなどはレバーグリップのために買うのは高いので、嫁さんや彼女の保湿クリームをほんの少し分けてもらうと良いでしょう。

上からグローブで握ってしまいますので無くても良いかと思います。

 

試運転

私も思い付きながら作ってみましたが、少し試運転がてら、感触と金属であるレバーからの冷気を確かめるため春〜秋用のグローブで走って参りました。

 

感触は良好でした。これについては革の厚みも関係するとは思います。

冷気についても金属レバー直接よりも伝わり難くなっています。市販のスポンジグリップと変わりありません。

 

一番違う所は、やっぱり『自己満足感』ですかね。

愛車のために自分で作った物です。

意味も無くブレーキやクラッチを握り自己満足に浸れる所もライダーならではという感覚なのでしょう。

 

 

最後に...

あくまで試作品なので色がちょっと...

説明のために穴も大きめに沢山開けましたし...

でも、その気になれば難しくはありませんし、革を乾かす時間を省けば工作的には1時間かからないかと思います。

もちろん説明では革の専用工具、溶剤的な物は使っていません。

 

私はこの後で愛車のためにキチンと作ってみました。

私の愛車は黒いドラッグスターなので黒い革と黒い革紐でこの後作ってみました。その際、カービング用のスタンプでアクセントも付けてみました。


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冬にバイクを冬眠させている方や、天気が悪くて週末暇をしている時にでも作ってみてはいかがでしょうか?

革製品なら見た目的にも年中通して使えるのではと思います。

 

また機会がありましたら、簡単に作れる物をご紹介致します。

それではまた(◍•ᴗ•◍)ノシ