革のライディングブーツのメンテナンス

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今日の話しはバイク用品についてです。タイトルにもあるように『ライディングブーツ』です。

久しぶりに自分のライディングブーツの手入れをしましたのでそれに併せて記事にしてみました。

 

 

私のお気に入り

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引用:threewood.jp

私の1番愛用しているブーツはAVIREX TIGER CRAZY HOSE

現在、AVIREXの公式サイトを覗いてみましたが、CRAZY HOSEカラーはありませんでしたが...

ブーツと言ってもショートブーツですから、ツーリングの目的地でガンガン歩き回っても普通のハイカットシューズと変わらず楽ですし、ライディングブーツではNGな靴紐の結び目や輪もベルトで覆えばステップやレバーに引っ掛かる心配もありません。

1番の愛用理由はデザインと色なのは言うまでもありません。自然な風合いのマッドブラウンで、ジーンズに良く似合います。(私は年中通してほぼジーンズでバイクに乗っています。)

このマッドブラウンは革のコンディションが一目で分かり、時間と共に色が淡い色に変化していきます。革はある程度の所で手入れをしてあげないと傷が着きやすくなったり、割れが起こり寿命を縮めます。反対に手入れをキチンとしてあげれば何年も履ける一生モノになりますので、革のブーツ初心者には最適な一足であると私は思います。

 

 

ライディングブーツの必要性

バイク乗りのこだわりとして、ヘルメットは皆さん1番手に来るとは思いますが、その次に来るものは何でしょうか?

ジャケット?グローブ?

ツーリングの休憩中に見ますが、ライディングブーツ(シューズ)は着用率から見ると順位が低いように思います。

(以下、ライディングブーツに統一します)

ライディングブーツはライディングで使用する事に特化して作られています。足は手ほど器用に動く訳ではありませんが、バイクではギアチェンジやブレーキ、バランスや体重移動と操作において酷使しています。

他にもエンジンに近いためバイクや路面のコンディションを振動で感じたりと状況把握にも使われていますので、専用に特化されたライディングブーツの必要性はヘルメットの次だと私は思います。

 

ライディングブーツの安全性

ライディングブーツは転倒や事故からもある程度の保護してくれるよう作られています。爪先にある程度の硬さがあり、事故や転倒時に起こりやすい足首やくるぶしの負傷をある程度保護してくれると共に、足首に向い縦方向にしっかりと支えがあり、疲れた時に車体を支えられずに起こりやすい立ちゴケからもサポートしてくれます。

保護機能を備えながらも振動が伝わりやすいようにステップの位置が薄くなっていたりとライディングに必要な機能が満載です。そういう意味から実店舗でピッタリフィットするジャストサイズを選びたいですよね。

 

保護機能だけを考えればワークショップやホームセンターにある安全靴をと考えて履いたこともありましたが、堅牢さはライディングブーツより優れていますが、爪先や靴底からの振動や感覚が分かりづらく操作感覚という面では劣っています。

悪いとは思いませんが専用で設計されていませんのでBestではありません。

 

 

私のブーツメンテナンス

私のAVIREX TIGERは数ヶ月に一度ですが手入れをします。手入れと言っても本格的にはやりません。

私は普段、革で製作等をしますので革を触るとある程度質等がわかりますので必要以上の本格的な事はやらないだけですが...。

ですからココから先は私『sim流』とでも言いますか我流です。

 

『AVIREX TIGER CRAZY HOSE』の場合はツヤの無いマッド調のカラーです。マッド調のカラーの手入れの目安として簡単に見分けるのは色です。使用していると革の油分(水分)が抜けて淡い色になって来ます。乾燥して来ているとでも言いますか、こうなると良く曲げる位置にシワが入りシワがヒビ割れて裂けてきます。

革(皮)ですので人の肌と変わりません。乾燥肌と同じです。革に潤いを与えてやれば良いのです。

 

 

汚れ取り
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大分白くなって来ていますよね...。

特に足先は上からの直射日光と、走行風をモロに受けますしエンジンに近いから乾燥も早いです。前回の手入れは年末だったと思います。色的にも手入れとしては少し遅いくらいです。

先ずは紐もベルトも外してしまいましょう。


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そして縫い目や革の重ね目の段差や紐通し裏等の砂埃や汚れが溜まっている所を使わなくなった歯ブラシ等で綺麗に掃除します。ここでの掃除をしないと後に汚れも革に塗り込む事になってしまいますので綺麗にブラシで掃除です。靴に使っている革は私の触った感じでは丈夫さに重点を置いているようで、繊細な上質な革ではありませんので歯を磨く時と同じ位の力加減でOKです。ただし、艶のあるピカピカの革や染色してある革の場合は力加減を調節しないと細かい傷になってしまいますので、注意しましょう。

 

 

油分(水分)補給

汚れが落ちたら油分の補給をします。ライディングブーツは普段履きの靴とは比較にならない程乾きます。天気の良い日=ツーリングであるライダーの履物なので上からの直射日光を浴び、風を受け、熱くなったエンジンの近くにある足元は革靴にダメージを与えます。特に夏場は受ける風も熱風に変わるので、革の状態を確認し補給頻度も上げましょう。

 

ミンクオイル
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革の油分補給にはミンクオイルが最適だと思います。

ミンクはご存知高級コート『ミンクのコート』で知られるイタチ科の動物です。その脂肪分がミンクオイルの原料です。このミンクオイルは革に馴染み浸透しやすい特徴を持ちます。革表面に対する油分(水分)の保持や汚れのガードをして外からの水分を弾いてくれると共に、浸透性が高いため革内部からの保護もしてくれます。古く硬くなった革製品にミンクオイルを塗り込むと、しなやかに柔らかくなり艶が蘇ります。

革靴のケア製品であるシュークリームと言うものがありますが、浸透はするのですが主に表面のコーティングが目的である製品なので、革の内部に浸透することにより革靴を保護しながら油分を補給するというミンクオイルとは少し違う気がします。

 

以前の私の記事で革を水に浸し形を作り立体成型するというレザークラフトの技法を紹介しました。

www.simsnotebook.com

 

この浸透性の高いミンクオイルを少量塗り込み柔らかくなったライディングシューズを履き、次に塗り込むタイミングまで乾燥し硬化してきたライディングシューズは足にジャストフィットしています。技法と同じ効果を得られていると言う事ですね。

 

ミンクオイルのデメリット

ライディングシューズにメリットばかりのミンクオイルのようですが、デメリットもあります。浸透力が高いため1箇所のみにオイルを塗ったり、塗り過ぎてしまうと革にシミを作ってしまいます。

塗る事によって柔らかくなりますが、塗り過ぎると靴が型崩れを起こしてしまう事もあります。

栄養価の高い天然由来のオイルを含んだ革はカビにとっても良い環境となってしまい、風通しの悪い場所に保管しておくとカビにより靴が傷んでしまうというデメリットもあります。

その辺りを注意しておけばライディングブーツだけでなく、革のライディングジャケットやグローブ、サドルバッグ等のメンテナンスにも活躍してくれます。

 

 

油分(水分)補給続き

話しが逸れてしまいました。


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ミンクオイルはシューズSHOPやバイク用品店のシューズコーナーにもあります。私はNAPSで¥600位で購入しました。ライディングブーツのみに使用して2年経ちますがほぼ減っていません。一瓶買えば一生モノですかね。
塗り込みは100均の靴ブラシです。指やウエスでミンクオイルを手に取り『トン』と靴に置いた場所が浸透力により、そこだけ塗りムラになるので靴ブラシを使います。
上の写真のブラシ上部にオイルが着いているのが分かりますか?

力を入れずにミンクオイルの瓶の表面にブラシを『トン』と置いただけの状態です。

コレをブーツに塗り込むだけで色がかなり変わります。

あとはブラシで伸ばす→ブラシを瓶に『トン』の繰り返しです。

通常靴磨きはオイルを塗った後にブラシで磨きをかけるのですが、私はこの方法で塗り込みながら磨きをかけるので一石二鳥ですね。


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ブーツ先端と踵部分で色と艶が変わっているのが分かりますか?


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塗る前の左足と


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塗った直後の右足です。


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両足塗り込み磨きをかけたら完全にオイルを浸透させるために一晩寝かせます。

 

 

仕上げ磨き

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一晩経つと革の内部までオイルが浸透しテカリが落ち着きますので柔らかい布でさらに磨きます。革がしっとりとした肌触りになり、柔らかくなりますので硬いブラシでは無く柔らかい布で表面に余った油分を拭き取る感じです。私は100均にある靴磨きクロスです。


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磨きの終わったAVIREX TIGERです。

写真では分かり辛いかもしれませんが、昨日の表面的なテカリが治まりながらも艶のある革の質感があり綺麗になりました。

このまま下駄箱に入れずに来週のツーリングまで玄関でもう少し乾燥させてから紐とベルトを通して使います。

 

 

最後に

今回は色で分かりやすいナチュラルな色の革のブーツのメンテナンスをしましたが、黒いブーツやツナギに合わせたカラフルなライディングブーツ等も良く見ると日焼けや乾燥により目立たないながらも乾燥して変色しているブーツも見ます。

革のブーツと言えば『物』と捉えがちですが、元は生き物の皮です。人の肌と同じくコンディションが悪ければ乾燥したり傷がついたりと繊細な物です。

 

自分の身を守るライディングウェアの1つです。

たまにはメンテナンスをしてあげて、一生モノのライディングの友としてあげて下さい。